旨味たっぷり!クロレラきのこ…
クロレラレシピ集
京都から電車で約1時間。琵琶湖のほとりに、夏休みにもってこいのスポットがあるって知っていますか?その名は、烏丸半島。自然も、青空も、砂浜も水辺も、美味しいものもたっぷりで、知的好奇心も満足させちゃう、この場所の魅力に迫ります。
烏丸半島は草津市の北に位置する琵琶湖に突き出た半島。アクセスは、草津駅の西口から近江鉄道バスで20分ほど。
また、琵琶湖畔はサイクルロードが整備されているので、天気が良ければ守山駅や草津駅からレンタサイクルを借りて乗っていくのもおすすめです。
半島といっても大人の足で30分もあれば一周できてしまうコンパクトな地域ですが、そこには本当にいろんな景色があるんです。例えば、青空の広がる草原や釣りのできる湖畔、のんびり寛げる白浜のビーチ。そびえ立つ大きな風力発電機に、博物館に植物園…。思わず心浮き立つような場所がいっぱい。
いたるところに季節の花が咲き乱れ、水鳥や魚、昆虫に爬虫類に両生類、多くの生き物と出会うことができる烏丸半島。
これから迎える夏本番、思い思いに遊んで楽しむ舞台の用意はバッチリ。ここは、こどもにとっても大人にとっても「夏休みの特別な思い出を作るのにもってこい!」な“夏休みの国”なんです。
まず訪れたのは、半島の東にある「草津市立水生植物公園みずの森」。琵琶湖は日本でも有数のハスの群生地。ここでは琵琶湖に自生するハスやスイレンをはじめとした、多種多様な植物を栽培しています。
公園内に入ると、本当に一面の花の海。スイレンの池や噴水を囲む身の丈ほどもあるハス。夏の強い日差しも草いきれも、琵琶湖を吹く風のせいか優しく和らいでほっと一息つくことができます。7月〜8月初頭はスイレンが見頃、印象派の絵画のように水面を彩っていますが、7月半ばから8月にかけて優雅で大きなハスの花が咲き乱れこの景色が一変、園全体が極楽浄土かというほどの明るく柔らかな印象へと変わりますよ!
ただし、ハスの花が一番美しく咲くのは午前中。できれば早起きしてくださいね。
さて次は2016年の7月14日にリニューアルした琵琶湖博物館。ここの見所はなんといっても、琵琶湖に住む水の生き物を集めた水族館。実はここ、淡水に棲む魚の展示では日本最大級なんです。リニューアルに伴い、展示のクオリティもさらにアップ。ただ見るだけでなく、知って理解して考える、より知的好奇心をくすぐる施設となりました。
琵琶湖博物館の展示の特徴は、琵琶湖の景色や気候を上手に展示の中に取り入れている点。水槽の上部から夏の日差、あたかも水に潜って探索しているような風景が見られる展示に引き込まれます。
熱帯魚や世界のカラフルな海水魚と比べて地味な印象のある日本の淡水魚。でも、水の底から見上げればお腹の白い色が日差しに溶けて、上から眺めれば砂利や砂の色に背中のグレーが溶け込んで、なるほどこれは計算され尽くした姿なんだと納得できます。他にも、川の中で流れに逆らってきらめく鱗や、ユーモラスに水中を飛び跳ねる姿に、今まで知らなかった日本の魚の魅力を発見できるはずですよ。
琵琶湖博物館の2階に新たに作られたのが、C展示室と呼ばれる琵琶湖の環境を紹介する展示室。琵琶湖には魚以外にどのような生き物が住んでいるのか、それぞれの生物がどういった生態をしているのかを、五感で体験できる施設が充実しています。
例えば施設の中にあった、“琵琶湖の嫌われ者”カワウの匂いを体験する展示では、悶絶するような匂いの体験ができます…。
さらに、恵みを人々がどう利用してきたか、琵琶湖をめぐる環境が今どうなっているのかといった私たちの生活に関わる情報展示も満載。
夏休み終盤でも、ここに来れば1日で自由研究のレポートが完成しますよ!
さて、烏丸半島探索もそろそろ大詰め。歩き回って感動して、お腹が空いてきました。琵琶湖博物館内では琵琶湖の魚を販売するお魚屋さんを再現したブースや琵琶湖産の魚を使った料理の紹介、漁業の仕方なども詳しく紹介しています。せっかくの機会ですから、あまり食べたことのない琵琶湖の幸を試してみましょう。
草津市立水生植物公園みずの森では、ハスの実を使ったうどんやソフトクリームが楽しめます。一方、琵琶湖博物館の併設レストラン「にほの海」では、ブラックバスやナマズ、ビワマスを使ったお料理を楽しむことができますよ。また、烏丸半島の入り口にある道の駅では、琵琶湖の魚や近江牛、採りたての野菜を販売していますから、足を運んでみては?
湖の幸(ビワマス・ブラックバス)の天丼 930円
関西に住む人々にとって、馴染みの深い琵琶湖。烏丸半島には私たちの知らない、琵琶湖の魅力がいっぱい詰まっています。勉強や自由研究にももちろん便利ですが、琵琶湖の風に吹かれて青空の広がる原っぱで思いっきり深呼吸してみるのもとっても気持ちがいいものです。今年は烏丸半島で、あなたと、家族と、友達と思い出の夏休み、作ってみませんか?
実は、今回の取材のメインは琵琶湖に自生する日本最大級のハスの群生でした。7月になると烏丸半島の東側の湖面を一面に、それこそ葉の緑と薄紅色の花びらしか見えなくなるほどに、ハスが茂っていたのです。
しかし2016年7月、この景色に出会うことはできませんでした。
ハスがほぼ全滅してしまったのです。植物公園や琵琶湖博物館の職員の方にお話を伺ってみましたが、原因の特定には至っていないそう。30年以上ハスの花を撮っているという地元の方も、こんな景色は見たことがないと話していました。
それでも、まだ烏丸半島の所々に小さなハスの群生は残っています。
探せば可憐な蕾が1つ2つ、水から顔を出しているのもみることができました。来年か、もっと先か。いつかまた素敵なハスの群生地が戻ることを楽しみにしています。その時は、また旅するFOOD記でその様子を伝えられたらいいですね。
文責:つむぐarticles 鷲巣謙介
編集:食品栄養科学博士 フジシマ