旅ドキ番外編/第1回:沖縄やんばるの自然の中で、パーマカルチャーという生き方に触れる旅

2016.10.13

偶然見つけたパーマカルチャー宿泊体験

夏休みの旅行先を検討していた頃。普段よくチェックしている沖縄サイトで偶然、やんばる(沖縄本島北部の自然豊かな地域のこと)でパーマカルチャーを学べる場所があることを知りました。パーマカルチャーという言葉はうっすらと聞いた記憶があるけれど、細かいことは何もわかりません。でも、やんばる・シンカヌチャービレッジの動画を見たとたん、ここに子どもたちを連れて行きたい!パーマカルチャーを学んでみたい!と強く思ったのです。
http://y-sv.jimdo.com/
http://okinawaclip.com/ja/detail/1929
家族に相談してみました。
パパ:「自然は好きだし、子どもたちがいいなら構わないよ」
子どもたち:「行きたーい!」

こうして、着々と準備を進めることになりました。

神戸空港からやんばるへ

神戸空港から飛行機に乗ります。忙しいパパとは明日の夜現地で落ち合う予定。私と子どもたちだけでやんばるを目指します。
神戸空港はこじんまりとして、植物も結構多くホッとします。

いざ空へ!

もうすぐ着陸です。

予約していたレンタカーで沖縄自動車道に乗り込み、終点の許田I.C.で降りてさらにR58を北上です。飛行機の到着遅れや渋滞で、もうとっくに日は暮れていました。暗くて道に迷い、到着は20:15頃。挨拶をしてざっと設備の説明を聞き、明日の予定を確かめて、部屋に荷物を置いてシャワーを借りて、あとは爆睡です。

未舗装の道の昼間の様子。夜はなかなか怖かったです!!

はじめてのパーマカルチャーのおはなし

朝になりました~。目に映るものはみんな爽やか。
こちら、大宜味村にあるやんばる・シンカヌチャービレッジは、masaさんと奥様のユッキーさんが営んでいらっしゃいます。5歳と1歳の娘さんがいる4人家族です。手作りのおうちは土台部分のみ業者に頼み、あとはmasaさんがご自分で作ったとか。凄い!(家作りで30kg痩せたそうです)


masaさん


ユッキーさん


手作りの宿泊棟


濃い緑に溢れています。

沖縄の食材を使った朝食を出していただきました。
・パパイヤと豆乳の冷製スープ
・モーイ(茶色いきゅうりのような沖縄野菜)、オクラ、
 うりずん豆(シカクマメとも呼ばれる)のスクランブルエッグ
・焼き立てパン
・パイナップル

うりずん豆はカットしたら洗濯バサミみたいな形でおもしろいです。パンは食べ過ぎなくらい食べました。

朝食が終わり、充分休憩してからパーマカルチャーのレッスン開始♪講師はユッキーさんです。さて、パーマカルチャーってそもそもどういう意味?パーマはパーマネント(永続的な)、カルチャーは文化のカルチャーや農業のアグリカルチャーからとっているそうです。
『地球に暮らす全ての生き物が活かし合う関係性のデザイン』
うーん、ちょっと難しい。
“デザイン”までの3つのポイントを聞きました。
1. こうしたい!(ヴィジョン)を考える
2. 観察する
3. 1と2をしっかりまとめてデザインする

この中の、2が一番大切!とのこと。
(あとでmasaさんに聞いたのですが、チェーンソーで木を切って自力で開墾したこの土地のどこに家を作るか考えた時、2の観察するがとても大切だったとか。あちらにはヘゴがたくさん生えているから水気のある土だろう、山崩れが起きにくい場所に家を作ろう・・・などなど、パーマカルチャーでは1年ほどその土地を観察するようによく言われるそうです)


柿渋を塗られた木の机。学校の椅子。落ち着く雰囲気でお勉強。

あと、“循環している”ということがとても大事。捨てるしかないゴミと思っていたものがゴミではなかったり、○○さんのいらなくなったものは△△さんにとって必要なものだったり。伝統的な暮らしや文化、日本だとお百姓さんには、自然から学んだ循環させる知恵がいっぱい。オーストラリアのパーマカルチャーの創始者が、「日本には昔、パーマカルチャーがあったんじゃないか」と言ったとか。なるほど、もともと積み重ねてきた知恵でもあるわけですね。

さて、ここで外に出て様々な植物を観察します。沖縄で自生している植物は、なんと90%が食べられるそうです!

沖縄というと土が肥えているようなイメージがありますが、亜熱帯の温度や湿度の関係で、微生物の働きが本土の30倍と言われており、有機物がどんどん分解されて空気中に出ていくので、養分を入れてあげないと豊かな土地にならないそうです。そんな事情?があったとは。あと、海が近い場所では海風の塩でやられてしまう野菜もあるので、沖縄は一般的な野菜作りをするにはなかなか大変な土地。ただし、野草は塩分も味方にするのでたくましく、うまく使えれば心強いです。


島とうがらし

子どもたちが集めた植物たちです。くるんと巻いたヒカゲヘゴも食べられるんです。

役立つ植物は周囲にたくさんありますが、フーチバー(ヨモギのこと)とシロノセンダングサはとてもありがたい存在。本土ではスーパーでヨモギが売られることはないですが、沖縄では当然のように売られ、食卓に普通に登場します。そばや山羊汁、ジューシー(炊き込みご飯)の具として使われます。痛みや虫刺され、出血や婦人病などにも役立ちます。シロノセンダングサは沖縄で最もよく目にする薬草のひとつで、白い花が可憐だなと私なんかは思うのですが、他の植物に取って代わるほどの旺盛な繁殖力で、シロノセンダングサ一色の空き地も珍しくありません。アメリカからの帰化植物で沖縄での歴史が浅いせいか使用法はあまり知られていないようですが、フーチバーのようにジューシーに入れたり、パスタなどにも使え、虫に刺された時も手でもんで患部をこすればかゆみがやわらぎます。ユッキーさんに教えてもらって私も子どもたちも蚊に刺された時使ってみました。スッとしてあまり気にならなくなったので、これはいいと思いましたよ。別名サシグサとも呼ばれ、種はトゲがあり服に付きやすい形になっています。


シロノセンダングサ(サシグサ)

植物に興味津々の次女。葉っぱが浮き出るとおもしろい♪

ユッキーさんが作った竹かごを見せてもらいました。1年間作り方を習いに行ったそうです。触らせてもらうと、がっしりと丈夫でした。沖縄ではバーキと呼ぶそうです。生活に無くてはならない存在かも!

さて、ここでまた外に観察に行きます。(暑いので休憩をはさみつつ、ぼちぼち進めます)
お昼ごはんに使うフーチバーやシロノセンダングサを摘んだり、宮古島の黒豆集めたり。

赤紫蘇です。沖縄で見ることになるとは。生き生きと育っていますね。ユッキーさんは関東出身なので、梅干しや紫蘇ジュースを作るそうです。

愛犬クレンが見つめています。
こんな自然の中でのんびり過ごせて幸せだね、クレン。

鶏も飼われています。この鶏たちは廃鶏をもらってきたそうです。廃鶏とは卵を産み終わった鶏のことで、通常はスープの出汁や加工品に使われますが、沖縄では炭火焼にして食べることが多いです。ぼろぼろでまともに動けなくなっていた廃鶏の鶏たちも、シンカヌチャービレッジでゆったり過ごしているうちに元気になり、また卵を産むようになったそうです。歩くのもやっとだったのが、タイヤ4個分の高さを軽く超えて飛び跳ねるとか。

チキントラクターと呼ばれている鶏小屋、なぜそんな名前かというと、この鶏小屋、実は移動可能。鶏が草を食べ、くちばしや足で土をほじくって耕してくれるので“トラクター”なんだそうです。草ぬきしたい場所に移動させてあとは鶏まかせ。

固定の鶏小屋もあります。パーマカルチャーでよく用いられる、屋根に植物のある風景。ルーフトップガーデンと呼ばれます。屋根の上の野菜を収穫したり、室内の気温が下がるというエコな効果が!

突然ですが、アフリカマイマイ。以前から寄生虫がいるから危険とさんざんネットで読んでいたので、もし出会ったら気をつけようと気構えていましたが、もうあちこちでご対面!あっちにもアフリカマイマイ、こっちにもアフリカマイマイ。“人間に寄生した場合、好酸球性髄膜脳炎を引き起こす危険があり、場合によっては死に至る。”やだなぁ・・・
ユッキーさんが言うには、靴でぐしゃっと潰して鶏のエサにする時もあるそう。触った場合はよく手を洗いましょうとのこと。ちょっと気が楽になりました。20cmほどもある世界最大級の寄生虫持ちカタツムリも、やんばるの自然の中ではそれほど怖がられてはいないよう。

やんばる・シンカヌチャービレッジの雰囲気は伝わりましたでしょうか。ユッキーさんとともに、パーマカルチャーとは?から始まり、やんばるの植物や自然のおはなしをたくさん伺ううちに、自分の住んでいる場所や生活との違いを興味深く感じることが出来ました。
次回は薬草を使ったお料理や、パーマカルチャーの代表的なもののひとつである積層マルチ作りなどをご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

マヨ

Webページ担当。沖縄と海をこよなく愛する二児の母。海で風変りなモノを拾うのが好き。

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