旅するFood記番外編/第3回:沖縄やんばるの自然の中で、パーマカルチャーという生き方に触れる旅

2016.10.25

スコールと朝ごはん♪

夜が明け、朝になりました。目覚めとともに、ものすごいスコールに気付きました。バチバチどわーっと激しく降る雨。なんだかすごいパワーを感じます。やんばる・シンカヌチャービレッジでは、溜めた雨水をトイレに利用しているそうです。激しいスコールのおかげで、雨水を溜める巨大な貯水槽は今朝オーバーフローしたとか。子どもの頃、両親が雨水を溜めて庭木にあげていたのをぼんやりと思い出しました。なにはともあれ、今日も美味しい朝ごはんからスタート♪

沖縄で元気に育っている植物満載の朝食です。
・ツルムラサキ、オクラ、モロヘイヤの和え物
・ゴーヤの佃煮
・エノキのしょうゆ炊き
・パパイヤイリチー
・もずくとじゃこの卵焼き
・宮古島の黒小豆入りごはん
・ゆし豆腐のお味噌汁

スパイラルガーデン、キーホールガーデン

朝食後、充分休憩してからmasaさんのパーマカルチャー講座開始です。様々な興味深いお話をしていただきました。

まずはスパイラルガーデンのお話。スパイラルガーデンとは、直径2m、高さ1mほどの渦巻状の菜園のことです。そこに色んな種類のハーブや花を植えます。真ん中あたりが1mの高さで徐々に低くなり、最後は池になります。最上部は水はけが良いので乾燥を好む植物、最下部にはドクダミ、セリ、三つ葉などを植えたりします。南に面するところは日あたりが良く、北側は日陰になり、わずか1坪の中に様々な微気象が生じ、その場所にあったハーブを植えることが出来ます。スパイラルガーデンは高さがあるため、屈まないで収穫出来るのも便利なところ。草抜きも楽です。

次に、キーホールガーデンのお話。キーホールガーデンとは、上から見下ろした時に見える形がキーホール、つまり鍵穴に見えるところが名前の由来になっています。この形だと土を踏み固めることなく、簡単に苗を植えたり収穫することが出来ます。また、風に運ばれてきた様々な養分が真ん中の吹き溜まりに集まり、植物が勝手に育つようになります。

パーマカルチャーでは、一石二鳥は当たり前。一石三鳥、四鳥を目指しても構わない世界だそうです。例えば高台に家を作って、生活排水が下の方に流れて作物に水やりをする手間が省けたり。鶏は朝に卵を産むとは限らないので、家と畑の中間に鶏小屋を置いて作業の合間に卵があるかどうか確かめられるようにしたり。実際、私がシンカヌチャービレッジに滞在中も、朝以外に卵を産んでいました。普段から、11時からお昼とか午後などいろんな時間帯に産むようです。卵を炎天下に長く放置したくないので、作業の動線上に鶏小屋があればこまめにチェックすることが出来ますよね。

パーマカルチャーは女性人口が高いそうです。自然の中での作業はハードな印象がありますし、実際そういう部分もあると思いますが、女性にとても親しまれているんですね。一方で理系や技術系の男性も大勢パーマカルチャーに関わっていて、新しい技術と昔の生活の良いところを合わせるハイブリッドな概念なんだとわかりました。カナダやオーストラリアでは、授業に取り入れている学校もあるそうです。それを聞いて長女は「いいなぁ」と心からつぶやいていました。

アースオーブンでピザ作り

さて、そろそろお昼。今回のパーマカルチャー講座の最後の食事、ピザ作りです。朝から火を入れておいたアースオーブンは、着々と熱を蓄えています。masaさんが図を見せて説明して下さいました。材料は土や草、レンガやわらなど。基本、自然素材だけで作るというのが重要で、必要なくなったら壊して自然に返せる素材を使います。入口の“63%”を無視して作った人がいて、全然燃えないオーブンになった話なども聞きました。

本当に中は草やわらが使われていることがうかがえる窓。オシャレですね。
masaさんはアースオーブンの作り方のワークショップもよく開催されています。

さぁ、みんなでピザ生地の準備を始めましょう。

ユッキーさんがこねてくれていた丸い生地を、打ち粉の上で平らにのばします。

たくさんの種類の具を準備して下さいました!鶏肉、チーズ、ピーマン、タマネギ、コーン、パプリカ、ゴーヤ、キノコ、赤紫蘇、敷地内の野草・・・ボリュームたっぷりです。
自由にトッピング。ピザに初めて載せる具もあって、ワクワクします。

朝から仕込まれていたアースオーブンは、もういつでもピザが焼ける状態!
子どもたちが作ったピザから順番に、次々と焼いていきます。料理好きなパパは自分でも焼きたそうだったけど。

先に子どもたちが食べ始めます。熱々だから気を付けて~。ユッキーさんが、豆乳のクリームソースのグラタンも作って下さいました。ピザもグラタンも最高に美味しかったです。(ピザの上の赤紫蘇が食べるとパリッ!!と音が響くほどパリパリに。すごい火力です)アースオーブンの温度は300度にもなり、最初はピザを焼き、徐々に温度が下がるとともにローストビーフを作り、次にドライトマト、最後にパンを焼くということも出来るそうです。湿度が高い沖縄でドライベジタブルやドライフルーツを作るのは至難の業なので、余熱を利用してドライトマトが作れるのはとても便利と思いました。

しかもアースオーブンの燃料は、材木屋さんで不要になった廃材をもらって燃やしています。masaさんはシンカヌチャー・ビレッジで薪割りをしたことが無いそう。材木屋さんではただただ邪魔で燃やされるだけの廃材が、こうしてアースオーブン等に役立っているとは、無駄が無くて話を聞いていても心地よいです。
ユッキーさんが、凍らせたバナナで作ったデザートや紫いもを出して下さいました。幸せを感じます。
食べて、おしゃべりして、あっという間に時間は過ぎていきます。

ウッパマビーチへ

食事の終了と共に、パーマカルチャー講座も終了。明日はもう大宜味村を出発します。その前に、近場のビーチに行くことにしました。隣の東村にウッパマビーチがあります。ほとんど人がいないイチャンダビーチ(沖縄の言葉で手つかずの自然のビーチのこと)らしく、そこでシュノーケリングをしようと早速でかけました。ユッキーさんに描いてもらった地図をみながら車を走らせます。まっすぐな長い道にちょっとビックリ。

ウッパマビーチへの道中、マングローブ(ヒルギ林)を見かけました。ここは慶佐次川(げさしがわ)といい、沖縄本島で最大規模のマングローブが生育しているエリアです。カヤックでマングローブの中を進むことも出来ますし、遊歩道が整備されているので歩いて楽しむことも出来ます。珍しい生き物がたくさんいるらしく、いつかまた来てのんびり歩いてみたいです。

着きましたー、ウッパマビーチ!到着した時は2人ほど人がいましたがすぐに帰り、あっという間に私たち家族だけに。

ひたすらシュノーケリングで小さい魚を見ていました。岩場の影で泳いでいる姿に和みます。ウッパマビーチはイチャンダビーチではありますが、トイレもきれいでシャワーも完備。快適です。充分泳いだ後、少し日焼けして、名護(北部の大きな街)まで車を走らせ
夕ご飯を食べてシンカヌチャービレッジに戻りました。

月桃のお茶

最後の夜。本を読みながらまったりしていると、ユッキーさんが月桃のお茶を下さいました。月桃の葉っぱは大きいのでお皿代わりによく使われて、オシャレで憧れの植物でした。お茶にするとどんな味なんだろう・・・スパイシーさを感じる、読書の気分転換にちょうどいいお味でした♪色はとてもキレイなピンク色。ユッキーさんありがとう。

パーマカルチャー体験講座をふりかえって

ほとんど真っ白の状態で、予備知識もなく飛び込んだ今回のパーマカルチャー体験。気負わず簡単に出来ることや、洗練された現代の技術が合わさったもの、様々教えていただきました。そして、パーマカルチャー≠農業ということもわかったつもりです。農業が苦手でも、力仕事が無理でも、理系の知識が無くともパーマカルチャーにおいてやれることはあるし、意識して少し実行していくだけでいいんだとも感じました。私はまずは、草抜き後の草を入れておくコンポストを作りたいです。庭の草を抜いた後、燃えるごみにするのがもったいないといつも思っているので。
masaさんは、やんばる・シンカヌチャービレッジを、いつかパーマカルチャーの学校にしたいそうです。人が20人入れるようにするなど条件があるようですが、夢が叶えばいいなと思います。masaさんとユッキーさんの生き方に触れ、特に感受性豊かな長女が進路の面で強く影響を受け、私たち家族も今まで話し合わなかったようなことを意識するようになりました。ここでの体験は、4人とも忘れることは無いと思います。

この記事を書いた人

マヨ

Webページ担当。沖縄と海をこよなく愛する二児の母。海で風変りなモノを拾うのが好き。

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