食卓を健康で華やかに!エディブルフラワーでお料理を。

2016.6.9

お花、食べたことありますか?

私たちが普段食べている「野菜」は、主に葉や根、茎、果実などですよね。でも、近年「食べられる花」に人気が集まってきているんです。

食べられる花、エディブルフラワーって?

皆さんは、ちょっとおしゃれなレストランに行ったときに、お料理の端に金魚草やパンジーの花が飾ってある前菜を見たことはありませんか?

「あぁ、飾りだな・・・」と思って、食べずに残してしまいがちな、あのお花。実はエディブルフラワー(食用花)と言って、れっきとした食材。

最近では、スーパーの野菜売り場で見かけるようになってきているのですが、野菜と比べて綺麗な花を食べるというと、ちょっと抵抗がありませんか?ところがこのエディブルフラワー、とっても優れた力を持っていたんです。

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実はヘルシー&高栄養。

現在、エディブルフラワーとして市場に出回っている花には、いくつかの種類があります。一般的なものとしては、カレンジュラや金魚草、パンジー、プリムラ、ホウセンカ、チューリップ、ベゴニアなど。いずれも華やかな見た目ですが、食べ物としての実力もすごいんです。

その理由は植物が子孫を残そうと、実とその前段階である花に、栄養を溜め込むため。例えば、カレンジュラはビタミンAがトマトの24倍、ホウセンカであれば30倍。バラは食物繊維が、バナナの10倍と、栄養価が豊富。そのほかにも、ビタミン類、カリウム・カルシウムなどのミネラルもバランスよく含まれているものが多いんです。

ただし、味わいに関してはちょっとパンチ不足。肉厚なベゴニアはほのかな酸味、バラには豊かな香りがありますが、甘味や旨味を感じるものは少ないのです。ただし、淡くやわらかな味わいで、料理の味を邪魔しないため、彩りとしては最適。近年では、流通量も増えてきたことから、お料理としてのレシピが登場しだしており、レストランでも飾り付け以外の料理の方法が次々と登場しているそう。日本の食卓では、まだまだ新参者のエディブルフラワー。これからの活躍に、期待がかかりますね。

お刺身の上の「たんぽぽ」は食べられる!?

ここまでお話ししてきた「エディブルフラワー」は、近年日本に入ってきた西洋の食用花のこと。でも、みなさんは実は、昔からお花を食べていたんです。

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知っていましたか?

すでに私たちが日頃食べている野菜の中にも、花の部分を食べるものがあったり、地域によっては古くから花を食べていました。例えば、菜の花やフキノトウ、みょうが、花わさび、花紫蘇、花ズッキーニなどは、すべて植物の花の部分。考えてみれば、ブロッコリーもカリフラワーも花のつぼみです。また東北地方では、古くから食用菊をおひたしや酢の物として食べており、山形では「もってのほか」、新潟では「かきのもと」という面白いネーミングで親しまれているんですよ。

食用菊といえば、忘れてはならないのがいわゆる「お刺身の上のたんぽぽ」。

あの黄色い花はたんぽぽではなく、小菊という種類の食用菊なんです。もちろん食べてもOK。その美味しさを知っている人は、ガクから花びらを外して、お刺身にまぶしたり、花だけを醤油につけて食べています。菊の香りとほのかに感じる苦味がなんとも爽やかで、刺身の生臭みを口の中から取り去ってくれますよ。

花を食べるときは、ここに注意!

食用花、エディブルフラワーはその名の通り、食べるために栽培されています。
すべての花が食べられるわけではありません。スズランや水仙、ジキタリスなど、観賞用の花には毒性のあるものも多いので、特に注意。

また、食用花と同じ種類でも園芸用のものは、農薬や科学肥料が使われていることがあるため食べられません。食べるお花は、食品売り場で。見た目も香りも、栄養価もたっぷりなものを選んでくださいね!

文責:つむぐarticles 鷲巣謙介
編集:食品栄養科学博士 フジシマ